バニーマン日記
映画、音楽等など、のんびり書いていきます。

プロフィール ×

バニーマン

Author:バニーマン
映画ネタ、音楽ネタを中心に思いつくまま適当に書いていきます。
自分が忘れないための
日記のようなものです(^_^;)。
リンクフリーです。


最新記事 ×

最新コメント ×

最新トラックバック ×

月別アーカイブ ×

カテゴリ ×

天使の分け前(2012)
【2014/02/06 19:53】 映画て
天使の分け前(2012)
 THE ANGELS' SHARE

344306_01_01_02.jpg

上映時間 : 101分
製作国 : イギリス/フランス/ベルギー/イタリア

監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァーティ

出演:
ポール・ブラニガン / ロビー
ジョン・ヘンショウ / ハリー
ガリー・メイトランド / アルバート
ウィリアム・ルアン / ライノ
ジャスミン・リギンズ / モー
ロジャー・アラム / タデウス
シヴォーン・ライリー / レオニー
チャーリー・マクリーン / ロリー・マカリスター

長引く不況で若者たちの多くが仕事にあぶれるスコットランドの中心都市グラスゴー。
教育もままならない環境に育ち、親の代から続く敵対勢力との凄惨な抗争が
日常と化した日々を送る青年ロビー。
恋人の妊娠が判明し、心を入れ替えようとした矢先に再び暴力事件を起こしてしまい、
裁判所から300時間の社会奉仕活動を命じられる。
そこで彼が出会ったのは、同じく社会奉仕を命じられた男女3人の若者と、
彼らの指導にあたるウイスキー愛好家の中年男ハリーだった。
ロビーはやがて、親身に接してくれるハリーからウイスキーの
奥深さを学び、興味を持つようになる。
そして、ひょんなことから“テイスティング”の才能に目覚めるロビーだったが…。



「天使の分け前(天使の取り分)」とは、お酒好きなら知っていると思いますが、ワインやブランデー、
ウィスキーなど、その製造工程で熟成を要する酒類において、熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、
最終的な製造量が目減りすることです。
一般に木製の樽で1年熟成すると、1~3%程度が、天使の取り分として失われるそうです。
英語では「Angel's share」なので、今作の題名は原題も日本語題もそのままです。
なかなかいい言葉ですよね。

例のごとく僕は全く勘違いをしていて、どうしようもないヤクザな若者が、ウイスキー製造工場で
働くうちに思わぬ才能を発揮し、また、まわりの人々に助けられながら更生していくというお話だと
思っていましたが、まったく違っていましたね(^_^;)。
いや、ある意味そんな映画ではあるのですが、あらすじから受ける印象とはかなり違ったものでした。

ここから↓ネタバレです。

モラルの是非を問うだけならば、実にけしからん!という作品になる。
実際、僕も観ていて、結局盗みかよ・・・と思いました。

でも、題名の“分け前”をどうとらえるか?で随分違う結果になると思う。

もっと言うと、英国の社会問題をどうとらえるか(理解しているか)で、“分け前”の意味が
まったく違ってくると思います。いまだにクラス社会が当然の国で、労働者階級の主人公達が
どういう立場で、そこから這い上がるのにどれだけ大変か。ロッド・スチュワートが随分むかし、
英国で労働者階級の人間が金持ちになるには、サッカー選手か、ロック・ミュージシャンに
なるしか方法が無いと、インタビューで答えていました(ロッドはロックの世界で大成功!)が、
それは現在でもあまり変わらないようです。

だからと言って主人公達の盗みを、罪が無いとは言いません。でも、大金持ちから掠め取った
それこそ“分け前”程度のことなら、主人公の未来に対して不問にしてもいいんじゃないかなと。
実際、監督は“分け前”を、そういった意味で使い、この作品をつくったと思います。

12345-1.jpg

社会奉仕隊の四人組の中で、主人公ロビーだけが自分の将来を真剣に考えます。
現状から何とかして抜け出し、妻子と共に新しい人生を歩みだそうと行動に移します。
その方法は確かにちょっと不道徳ではありますが、優しく見守ってもらえればと。
この主人公を演じたポール・ブラニガン自身も、幼い息子を抱え失業して自暴自棄になりかけて
いたときにこの役に採用されたそうです。

映画を観て、日本と英国では随分違うなと思った場面は、被害者本人とその家族が、加害者に対して
言いたいことを直接言える制度があること。ちょっとビックリしました。最近、日本では裁判中に
被害者の家族が、加害者に直接話すことができるようになったそうですが、刑期を終え出所してきた
加害者に言いたい放題って、スゴイな! 加害者(犯人)の性格によっては、反省どころじゃないって
感じもするんですが・・・、この映画の主人公は悔い改めるからいいけど。

この場面があるおかげで、主人公がいかに残酷なことをしてきたかがよくわかります。
またこれ以前に、主人公が妻の親族からボコボコにされる場面もあるんですが、この二つのシーンに
よって、主人公の置かれた境遇が非常によくわかるようになっているし、主人公に対する見方もかなり
変化してくると思います。

指導者のハリーはいい人ですね。
ロビーからの贈り物は、きっと美味しく味わえたと思います。

123456-2.jpg

スコットランドのキルトの下には何をつけるべきか?
僕の手元のある昭和55年に発刊された本によると、勿論正式には何もつけないそうです。
が、当時のキルト・メーカーの方の答えは、「近頃は社会的な習慣と、衛生的な立場から、ダーク・カラー
の下着をつけるようです」とのこと。
でもこの4人(3人)組は、ちゃんと伝統にならって何もつけていないようですね。
見たくないけど(笑)。

人によっては、この作品を不道徳だと受け入れられないかもしれませんが、
もうちょっと見方を変えてほしいなと、僕は思います。
オススメです。

予告↓


関連記事
スポンサーサイト


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

ケン・ローチ監督は「カルラの歌」と「SWEET SIXTEEN」を見たことがありますが、こちらも見たいと思っていました。
昔スコットランドTVの「刑事タガート」という番組を良く見ていて、舞台が80~90年代のグラスゴーが舞台でした。イングランドとの温度差や、英国全体にあるハッキリとした階級社会とか、日本人には中々理解し辛いですよね。持つ者と持たざる者との差が付き過ぎると、盗みに対する感覚も違うのかな、、。
【2014/02/10 13:24】 URL | yuccalina #qhVXTLRM [ 編集]


yuccalina さん、こんばんは。

80年代や90年代どころか、今でもスコットランド(英国全土もですが)の状況は、あまり変わっていないようですね。

“盗み”に対する感覚そのものは、日本と比べて甘いというわけでは無いと思いますが、何と言ったら良いのか上手く説明できませんが、犯罪に対して“諦め”ているのかもしれません。
【2014/02/10 19:34】 URL | バニーマン #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://oukei1963.blog90.fc2.com/tb.php/320-c4592036
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


サイドメニュー ×
メニューA  メニューB